2012年9月19日水曜日

騒音歌舞伎(ロックミュージカル)  「僕の四谷怪談」


Bunkamura シアターコックーン   2012/9/19(水) 18:30時
 
シスカンパニー Bunkamura


作・脚本・作詞:橋本治  演出:蜷川幸雄  音楽:鈴木慶一

佐藤隆太 小出恵介 勝地 涼 栗山千明 三浦涼介 谷村美月 尾上松也 麻実れい      勝村政信他

「橋本治が学生時代に「四谷怪談」をベースに書き下ろした幻の戯曲を40年を経て蜷川幸雄が演出したもの
(感 想) 「桃尻娘」で一世を風靡した橋本治が「とめてくれるなおっかさん 背中の銀杏が泣いている
男東大どこへ行く」というコピーで注目を集めていたころ、鶴屋南北の「東海道四谷怪談」をベースに書き
下ろしていた、幻の戯曲。演出は自身も「魔性の夏 四谷怪談より」という一風変わった「四谷怪談」を
描いている蜷川幸雄。 橋本治が「四谷怪談」をどう料理するか?どのようなロックミュージカルに
したてているのか?また、蜷川幸雄がどのような鮮烈なイメージを見せてくれるのか?に興味があって観劇。 
全体としては、書かれた「70年代のにおい」がプンプンする、懐かしい芝居に仕上がっている。
役者の語るセリフ・話の展開は正に「橋本治」ここにありといった感じで、10年後に発表される「桃尻娘」の
語りを髣髴させる。ただ、芝居としては、特に強烈なメッセージが伝わってくるというでもなく、ミュージカル
として楽しめるというわけでもなく、有名な俳優・女優がたくさん出てきて、おもちゃ箱をひっくり返したような
芝居という印象。
 主演の佐藤隆太はこのメンバーの中では埋もれてしまう、勝地 涼 三浦涼介はなかなかいい味を出し
ていた。勝村政信・谷村美月はお約束通りの演技、栗山千明はがんばっていたという印象。その中では、
歌舞伎の修練をベースにした尾上松也の「お岩」の演技は秀逸! さすがと思わせるものがあった。
麻美れいの「お熊」はもったいない、もっと違う役を演ずるところを見たかった。あと、多くの役者が
老人を演じて意味も無く(私の感じたところによると)舞台を行き来するが何を意図し、どんな効果を
狙ってのものか意味不明。私には役者を無駄遣いしているようにしか感じられなかった。
 最近やたら、有名俳優・女優を多数配し、見ている分には楽しいし、おもしろいが終わってみると、
なんだったんだろう?というようなテレビのバラエティのような芝居が結構あるように感じられる。


   

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