新国立劇場主催 芸術監督 宮田慶子 演出:鵜山 仁
岡本健一 中嶋朋子 浦井健治 木下浩之 倉野章子 那須佐代子 森 万紀 他
「2009年全三部作を9時間上演した「ヘンリー6世」三部作の続編 」
( 感 想 ) ヨーク家のエドワード4世が30年に及ぶ薔薇戦争を勝ち抜き、王位についたが、その直後からその弟
リチャード3世が王位を狙い、次々と優位な継承者を破滅させ、ついには王位を得るが、絶頂期は長くは続かず、最後は
反乱軍に破れ壮絶な死を遂げるまでの物語。
「リチャード3世」はシェイクスピアが初期のころ書き、初めて大ヒットさせた作品で「ハムレット」と並び、世界の名優が一度は
演じたいと願う役と言われているらしいが、今回は「岡本健一」がリチャードの(残忍冷酷)(醜悪不遜)(奸智奸才)・・・を
熱演している、すばらしい岡本リチャードに仕上がっている。浦井健治リッチモンド、中嶋朋子マーガレットをはじめ、、
実力派の俳優・女優陣が熱演しており、砂漠の中の円形舞台と言ったような演出と相まって、全体としてすばらしい舞台と
なっている。「ヘンリー6世」から続くこの演者・スタッフ陣に感服する。
舞台全体としても、シェイクスピアの自問自答するような、哲学的でもあり、言葉遊びてきでもあるセリフ回し、悪党リチャード
の生き様、王冠をめぐる戦いとそれに翻弄される「女達」の人生、一瞬にして入れ替わる勝者と敗者、被害者と加害者、
そのはかなさ、無常さ、シェイクスピア演劇を堪能出来る舞台となっていました。間違いなく今年を代表する舞台のひとつ
になるだろうと思われました。
我々も来年はシェイクスピアの「リア」をオペラ上演することとなっていますが、演劇とオペラの違いはありますが、
「これぞシェイクスピア!!」と感じてもらえるような舞台に仕上げていければと思います。
0 件のコメント:
コメントを投稿