2013年5月1日水曜日

今ひとたびの修羅

新国立劇場
中ホール
シスカンパニー
作:尾崎士郎 演出:いとうひでのり
堤真一 宮沢りえ 風間杜夫 小池栄子 小池圭介 他
尾崎士郎作の人生劇場をシスカンパニーが、いとうひでのり脚本、演出で上演したもの

昭和初期を舞台に一途な人間の思い、有り様を描いた作品。


2013年4月22日月曜日

ヘンリー4世

彩の国さいたま芸術劇場
18:00〜
埼玉芸術文化振興財団/テレビ朝日
作:シェイクスピア 演出:蜷川幸雄
吉田鋼太郎 松坂桃李 木場勝己 立石涼子 星智也

蜷川幸雄が手掛ける彩の国シェイクスピア・シリーズ
本来は1部と2部に分かれた2本の戯曲を1本の戯曲として上演されたもの。
昨年来、蜷川演出には余りいい印象を持っていなかったので、シェイクスピアもので有れば、どうか?と思って観劇。
芝居全体としては、4時間を上回る作品を飽きさせずに見せたのはさすがか?
役者はフォルスタッフを演じた吉田が、コミカルで楽しく、少し物悲しい役どころを旨く演じていた、キャストの中では、やはりヘンリー4世を演じた、木場が秀逸‼ 木場はどの役を演じてもだが、存在感抜群で有る、芝居を壊すこと無く、しっかりと主張している、本当にいい役者だと思う。
脇を固めた立石、星もいい演技をしており、底堅い。
ヘンリー5世を演じた松坂が滑舌が悪く、シェイクスピア戯曲の禅問答の様な語りが活きていなかったのは残念。若い役者を育てると云う、蜷川さんの思いなのだろうが、結果は残念。
演出、舞台、衣装はオーソドックスだが、締まっていて良かった。気をてらった演出、意味の無い?役者が出る事も無く、良くまとまっていた。やはり、自分の劇場だからだろうか、舞台の使い方、転換が、非常に良くまとまっていて良かった。
全体としては、良い出来か。




2013年3月15日金曜日

来訪者

高円寺 座 2013/3/15
中都留章二 トラッシュマスターズ
尖閣諸島問題を題材にした、かなり重めの芝居。
この事を題材としつつも政治的な主張は無く、むしろ、全体と個人、人種差別の馬鹿馬鹿しさ、人の人生観と言ったものを、尖閣諸島問題を架空の展開で発展させて行く中で表現している。

2013年3月14日木曜日

マシーン日記

東京芸術劇場 2013/3/14
大人計画

とても面白い芝居でした。
全編 笑いの渦と言った感じでした。
凄いのは人に寄って笑い、笑えるポイントが違う事です、それぞれの人の琴線に触れるように、ネタが仕込んで有るのは流石です。

2013年3月1日金曜日

ルル

東京芸術劇場
2013/3/1 19:00〜

場所は芸術劇場プレイハウス、行ってみると、本来の座席は一切使わず、舞台上に馬蹄形の小劇場を作り上げているのに、びっくり! しかも、座席がかなり急に作って有り、どの席も舞台に非常に近い設定となっていた。
舞台はルーマニア語で進行するため、全員にイヤホンガイドが付いていた、舞台に集中出来るようにとのことだろうが、訳者の声の感じとタイミングが、目の前で演じられている、役者の芝居と微妙にずれるため、少し興醒めするところが有るのは止む無しか?ただ、これだけ舞台が近いと字幕も使えず、これしか無かったのだろうとは思われる。

話はフランク・ヴェデキントの「ルル2部作」、話の筋は大きく変わるところは無かった。
舞台に近いと云うことも有るだろうが、上演中これだけ集中して(集中させられた)観た芝居は初めてであった。上演前から、演出のシルヴィウ・プルカレーテ、ルーマニア国立ラドゥ・スタンカ劇場専属の
オフェリア・ポピの演技が注目を集めていたこともあり、かなりな数の舞台関係者(俳優を含め)が観劇に来ていた。

2013年2月26日火曜日

マクベス

世田谷パブリックシアター
2013/2/26(火) 19:00
企画・製作 世田谷パブリックシアター
主なスタッフ 構成・演出:野村萬斎 美術:松井るみ  
主なキャスト 野村萬斎 秋山菜津子 高田恵篤 福士恵二 小林桂太

野村萬斎の新演出によるもの 東京 大阪 ソウル ニューヨークでの公演 

5人だけで、演じる野村萬斎の新演出による「マクベス」
魔女薬の3人がそれぞれに、ダンカン、マルカム、バンクォー等々を演じることで、この芝居が本来もっている、この世と
この世と思えない不思議な世界がボーダーレスにクロスするこの芝居の特徴を上手く描き出している。また、舞台中央に
最初から用意されている、穴の空いた大きな壁を役者たちが、その穴をくぐったり、裏に回ったりすることで現実世界と
マクベスが陥る架空・空想の世界とのボーダーラインをうまく表現しており
この芝居を観やすく、分かりやすいものにしている。
 全体としては演出家:野村萬斎の狂言師としての体の使い方・キレ・話し方が生き生き出ており、芝居全体をきびきびと絞まったものにしていた。
 役者さんたちは、

2013年2月25日月曜日

ミンコフスキー&レ・ミュジシャン・デュ・ルーヴル・グルノーヴル

東京文化会館 2013/2/25 19:00〜

2009年のベストコンサートとの事で聞きに行くことに。勿論、昨年のサントリーホールでのミンコフスキの指揮にすっかり魅せられたのも有りますが。それにしても私の様なクラッシックド素人が聞いても素敵だなと思わせるるのだから、やっぱりこのカンパニーは凄い、コンサートだからカンパニーとは言わ無いのだろうが、オーケストラとかアンサンブルとか言わ無いで、Les Musiciens =楽士たち と名付けているのだから、これでいいのかもしれない(^-^)/
曲目はシューベルト交響曲第7番
「未完成」
シューベルト交響曲第8番
「ザ・グレイト」

2013年2月24日日曜日

国語の時間

高円寺 座 2013/2/24 19:00〜

とても良い芝居ですが、いつもながら、座の芝居は重い(≧∇≦)

ただ、本当に考えさせられる芝居です、日本人はやっぱり、自国の言葉で生きてこれたから幸せですね。言葉、文化、習慣の持つ意味の重たさを感じる内容です(^-^)/

英語、ドイツ語、フランス語、イタリア語、スペイン語、ポルトガル語、中国語、ロシア語、これらの国が、言語文化圏を作りあげている事がいかにすごい事か感じずにはおれません、日本は戦後50年繁栄を享受してきましたが、日本語文化圏を残す事が出来るかはこれからが正念場だろうと思います。日本は占領され、自らの文化を失った事がないから、日本文化の大切さやそれを輸出しようと云う意識が薄かったのだろうと思います。韓国がKPOP始め、自国文化の輸出に熱心なのは、やはり、近年、日本に自国文化を踏み躙られた経験があるからなのだろうと思います。だから、自分達の文化の大切さを良く分かっているのだろと。

ただ、日本は太古の昔より、世界の文化の掃き溜めだから、もしかしたら、日本人は無意識にそとから入ってくるものを文化と認めていないのかな?と思うところが無いでもないですが(^-^)/

常に「和魂洋才」古くは「和魂中才」

余りにいろいろ入ってくるから、常に外から入ってくるものの中から便利なものをみつくろって使うだけでそれに心酔する物では無い。こんな考えかも(^-^)/

2013年2月22日金曜日

デカメロン

シブゲキ 2013/2/22 18:30〜

流石‼ケラさんという感じの一本(^-^)/

エロネタ満載では有るが、芝居の作りがとても上手い、演出には驚きと新鮮さがあり、とても楽しめました。
それと、いつもながら、ケラさんのプロジェクションマッピングは上手い。
映像とプロジェクションマッピングは当代一かと思わせる。

あとは、どう演劇的に消化しようか四苦八苦しなが進んで行くところが、つかこうへいとそっくり(^-(^-^)/
本当の演劇人‼

2013年2月21日木曜日

ダンゼン・鉄はいくらか

シアター風 2013/2/21 19:00〜

ブレヒトの「ダンゼン」と「鉄はいくらか?」を併せた作品。

第二次世界大戦中のヨーロッパ各国の状況を人に例えて表現したもの。ナチスドイツの前に各国

が屈してゆき、尊厳を踏み躙られて行く様子が描かれていく。

鉄の供給国である、スウェーデンに対しちナチスドイツが常に「鉄はいくらか?」と聞き続けるが、戦

火の状況と共にスウェーデンの回答の仕方が微妙に変わっていくのが印象的。

最後にスウェーデンが「鉄はいくらか?」との問に対して「ただ」と答えたところで、各国を擬人化し

た人物達は死んでいくが、その時、舞台に最後に20??と描かれたキューブだけが残っているの

は、不気味であり、そうなって欲しく無いとぬ強いメッセージなのだろと思えた。

2013年2月14日木曜日

文楽

国立劇場 小劇場

今回は人形の表情が見える席でと思い、売り出し日に三列目を確保して観劇することとしました。
演目は歌舞伎でも良く知られた、「妹背山婦女庭訓」、歌舞伎では玉三郎さんが演じて有名な、三角関係で男を取り合う田舎娘、「お三輪」の表情を追いかけてみた。文楽の人形には、表情があるというが、「本当に作り物の人形が人の表情を出すのだろうか?」との疑問をもって観劇。
「最初の男と戯れる時の明るく艶やかな表情」、「男を追いかけて行くが途中で目印にと男に結んだ白い糸が切れて、男を見失うが、それでも必死に男を追いかける時に見せる鬼気迫る表情」、「女官達にいじめられながらも、どこかで反撃に転じてやろうと云う気持ちが滲みでた強い顏だち」、「最後に自分の死は好きな男のためと、覚った時の穏やかな優しい表情」、等々、これら全てが、とても同じ人形=物体であるとはとても思えないものでした。良く見ると、人形遣いの表情もどことなしか、場面に合わせた表情になっていて、人形遣い自信が芝居に入り込んでいるのが、感じられました。


2013年2月9日土曜日

テイキングサイド

銀河劇場   2013/2/9(土) 18:00~

WOWOW ぴあ 銀河劇場 ㈱TSP

作:ロナルド・ハーウッド 演出:行定 勲 
平 幹二郎 筧 利夫 福田沙紀 小島 聖 小林 隆 鈴木亮平
ドイツにおける第二次大戦後の非ナチ化審査の中で指揮者「フルトヴェングラー」に対して行われた審査の過程を脚本化したもの

( 感 想 ) 第二次大戦後、ドイツでは非ナチ化と呼ばれる連合国(特にアメリカ)の占領政策がとられていたが、 特に、戦前ナチに協力したものを容疑者として召喚し、審査を行い、結果により公職追放や罰金刑を科していた。 指揮者フルトヴェングラーは、ナチ党大会で指揮したことなどから、アメリカ側から「ナチの指揮者」とのレッテルを貼られ、 そのため、非ナチ化審査は長引き、嫌疑が晴れたのちも、長く社会的活動は制限されていた、この間の審査の過程を、 「戦場のピアニスト」等の映画の脚本で有名なロナルド・ハーウッドが戯曲として書き下ろしたのが本作。演出も 『世界の中心で、愛を叫ぶ』等で有名な「行定 勲」という、映画と舞台をクロスオーバーさせるような作品。  テーマは正に「正義」とは?であろう。 ナチ政権下のドイツで、人命を最も重いと考える正義、芸術を守るために犠牲も やむなしと考える正義、他人を裏切っても、自ら生き延びる正義・・・・劇中では、それぞれの考える正義をあぶりだす、平= フルトヴェングラーが「君はどういう生き方をしようとしているのか?」と筧=アーノルド少佐に問いかけるシーンがあるが、 これが正しく、この芝居のテーマなのであろう。  芝居全体としては、筧アーノルド少佐が速射砲のような質問と自説を展開していくが、どちらかと言えば最近の筧のテレビ 番組での役作りに近く、全体的にこの重々しい芝居を若干軽いものに見せてしまうのは、残念である。前述の通り、どちらの 側をとること(テイキングサイド)が良いわけではない(分からない)というのが、この芝居のスタンスであろうと思うが、 筧のいささか軽薄に見せる演技がこの対立関係を壊してしまい、芝居の後半に至るまで、筧を悪者=無理やりフルト ヴェングラーをナチ協力者に仕立てていくように見せてしまう、また、同時に前半を退屈な芝居にしてしまっている。 残念だが、ミスキャスト?かと思ってしまう。他の役者陣は全体として素晴らしい、平は重々しく自らを語り、その言葉に 引き込まれていく。タマーラ・ザックスを演じた小島の「どうしたら真実が見つけられるんですか?そんなもんありません。 誰の真実ですか?勝った者?負けた者?」このセリフには鬼気迫るリアリティがあり、本当に素晴らしかった。        
全体としては、後半は良いが前半は退屈といったところか? 事実、私の隣の人は前半で帰ってしまった。  これだけ、有名なキャストを配した芝居であるにも関わらず、客席の入りは今一つ、同じように芸術に対して2人が語り合う 「ホロヴィッツとの対話」が完売していることを考えると、顧客の嗜好はどこにあるのか? 舞台ビジネスのプロモーションの 難しさを感じてしまいます。        

2013年2月6日水曜日

愛の妙薬

新国立劇場   2013/2/6(水) 19:00時

指揮:ジュリアン・サレムクール 演出:チェーザレ・リエヴィ 東京交響楽団
ニコル・キャベル アントニーノ・シラクーザ 成田博之 レナート・ジローラミ 九嶋香奈枝
(感 想 等) 新国立劇場のレパートリーの一つ。 平日の夜ということもあるのだろうが、会場はかなり空いていた。 
レパートリー上演ということもあるのだろうか、有名な演目であり、観ていて(聞いていて)楽しいし、舞台もそれなりに立派な
つくりで価格的にも抑えてあるにも関わらず、こんなに集客的には苦労するのだから、やはりオペラ人口は少ないのかなと
思ってしまいます。
 舞台としては、ネモリーノを演じたアントニオ・シラクーザは声も良く、演技も楽しくて、とても素晴らしかったし、ドウル
カマーラを演じたバリトンのレナード・ジローラミも達者な演技と歌声でこのオペラを楽しいものにしていた。
 演出は全体的に、大きな文字のオブジェを使ったり、「トリスタンとイゾルデ」の大きな本のオブジェを使ったりと現代的な
演出になっているが、衣装の鮮やかでポップな色遣い、オブジェに当てた照明によってとても明るく楽しい舞台に仕上げて
いた。 現代的な演出にも関わらず、明るくポップな舞台作りによって、このオペラの舞台とした19世紀中ごろのイタリアの
田舎町へ引き込んでいくのは流石であると思う。上手く舞台の上に19世紀の田舎町のドタバタ恋愛劇の世界を作りだし
ていた。
 友人と誘い合わせて「オペラ観に行こうよ!!」と言える作品。

2013年2月1日金曜日

スペイン国立バレエ


スペイン国立バレエ団 来日公演  2013/2/1(金) 19:00~
 
Bunkamura オチャードホール

主催:TBS ローソンHMV CIC 企画・招聘:ローソンHMV 


<グリート>振付:アントニオ・カナーレス<セビリヤ組曲>原案・振付:アントニオ・ナハーロ 
エステル・フラード フランシスコ・ベラスコ アローニャ・アロンソ ジェシカ・デ・ディエゴ マリアーノ・ベルナル インマクラーダ・サンテェス  歌手:サライ・ムーニョス エンリケ・ベルムーデス 
アントニオ・カナーレス振付による<グリート>とアントニオ・ナハーロ原案・振付による<セビリヤ組曲>の日本初演
(感 想 等) 毎年のように来日する有名バレエ団であるが、知っているのは芸術監督のアントニオ・ナハーロのみ、
会場はほぼ満杯、人気の高さが窺える。スペイン国立バレエと云うものの、一般的なバレエではなく、スペイン民族舞踊
であり、フラメンコといった方が素人の私には分りいい感じでした。フラメンコがどちらかと言えば、タブラオなどで、ソロもしくは
ペアなどの小人数で踊られるのに対して、こちらは、大人数で迫力満点で踊るといった差かなというのが、印象でした。
たぶんこんな言葉は無いと思うが、印象としては「グランド・フラメンコ」!! 
 
 内容的には<グリート>振付:アントニオ・カナーレスも、<セビリヤ組曲>原案・振付:アントニオ・ナハーロともに
踊り・音楽ともすばらしいものでした。サバティアードなど非常に力強く、振りの隅々に力と生命力が漲っており、また、
<セビリヤ組曲>のソロ、ペアのスペイン民族舞踊はフラメンコをバレエ風に踊ったらこんな感じ!といったもので
とても官能的でした。また、サライ・ムーニョスの歌はまさしくこれぞフラメンコといった素晴らしさでした。
 若干残念だったのは、観客の側が声援の送り方が分からず、ここでオペラのように「ブラボー!!」の声が掛かれば、
もっと盛り上がるのになあ~ といった場面が多々あったことでした。様の東西を問わず『大向こう』は必要だなと感じた次第でした。
 

2013年1月23日水曜日

タンホイザー

新国立劇場  2013/1/23


新国立劇場 協力:日本ワーグナー協会

指揮:コンスタンティン・トリンクス   演出:ハンス=ペーター・レーマン

クリスティン・ジグムンドソン スティー・アナセン ヨッヘン・クプファー ミーガン・ミラー            エレナ・ツイトコーワ 他



ワーグナー生誕200年を飾る 新国立 最初の作品

( 感 想 ) ワーグナー生誕200年ということで、今年はワーグナーが多く上演されるのだろうと思われるが、
あまりオペラに馴染みのない私にも聞きやすく、観ていて飽きない演目で「楽しめるな」というのが、第一印象。
 観劇日は初日であったが、入りは7~8割といったところか、タイトルロールの歌い手の変更もあったが、10ヶ月前
から発表しており、特に影響は無さそう。舞台装置は、パンフレット等にある通り、3幕とも極めてシンプル。
ヴェーヌスベルク(官能世界)とヴァルトブルク(精神世界)を同じ舞台装置を使い、いくらかの転換と光のつくりによって
使いわけていた。シンプルだが分かりやすい演出だったように思う。
 歌い手はそれなりに皆、すばらしかったが、特に領主ヘルマンを歌ったバスのクリスティン・ジグムンドソン、ヴォルフラムを
歌ったバリトンの ヨッヘン・クプファーが声も良くすばらしかった。ヴェーヌスを歌ったメゾソプラノのエレナ・ツイトコーワも
官能的な歌声が良かったように思う。
 このオペラはヴェーヌスベルク(官能世界)とヴァルトブルク(精神世界)の間をさまようタンホイザーを描いているが、
どうしても、ワーグナー自身の心の葛藤を描いていたように感じられる。
この作品(1845年)から5~6年後から始まるワーグナー自身の女性遍歴。彼自身の父がユダヤ人
(義父とも実父とも言われている)であるにも関わらず、『音楽におけるユダヤ性』(音楽に対するユダヤ人と
ユダヤ文化の影響力を激しく弾劾した)論文を発表し、反ユダヤ主義者のレッテルを貼られる二面性を考えると
タンホイザーのさまよいはワーグナーの心の葛藤であったのかなと考えてしまいます。


2013年1月22日火曜日

この命誰のもの

自由劇場 2013/1/22  18:30~

劇団四季

四季のストレートプレイです、どんな風になるのか楽しみです。

「一音落とす者は去れ!!」でストレートを演じきれるか?役者さんたちの本当の力量が問われる舞台になりそうですね。

やはり、舞台がスタートした直後は所謂四季言葉で展開したが、流石に役者さんたちも時間と共にこなれてきて、自然だけれど、聞き易いセリフ回しになってきたのは素晴らしい! やはり、基礎がしっかりしている役者さんたちは違う!!
話しのテーマは安楽死、自ら自らの生死を
選べるか? これは宗教によっても、変わるだろうから、答えの無い問だと思うが、
エンディングは素晴らしい!
必見の1本‼


2013年1月19日土曜日

女のほむら

東京芸術劇場 2013/1/19 19:00~

原作:根本順善  脚本・演出:森井睦 舞台美術:仮屋崎省吾

企画・製作:ピープルシアター

小山明子 伊藤友香 コトウロレナ 磯村みどり 白石奈緒美 岡橋和彦 西丸亮 市川博樹 

二宮聡 荒川智大 武藤弐吉 他

初日を前にして夫:大島渚が亡くなった小山明子が名実ともに「女のほむら」を見せた好舞台!!

話は明治の毒婦 高橋でんを題材にしたもの 毒婦としてというよりは、女の性、 夫を支え続けた

女としてのけなげな側面を描き出すことで、まさに「女のほむら」を描いている。

舞台・演出はすっきりしていて見やすい。でんを3人の女性が演じる演出も最初は違和感を感じた

がすぐに馴染んできて、自然に感じられるようになる、お伝を演じる小山、伊藤、コトウロレナはそ

れぞれに、色気と凄みがあり、お伝を良く演じている、伊藤、コトウロレナは前回のアンティゴネー

でも、存在感のある演技をしており、ともに美形であることから、今後楽しみな役者さんである。

演出は一部、長塚圭司の浮標に似た舞台づくりであり、二人の語りをおいて、劇中劇の形式を

とっている。「お伝」の一生。ほむらを客観的に見せていこうという演出なのだろう。

地味であるが、秀作!!

2013年1月18日金曜日

祈りと怪物 〜ウィルビルの三姉妹〜 蜷川Ver

シアターコックーン  2013/1/18 18:30~


企画・製作 Bunkamura Quaras
主なスタッフ 作: ケラリーノ・サンドロビッチ  演出:蜷川幸雄
主なキャスト 森田剛 勝村政信 原田美枝子 中嶋朋子 橋本さとし 伊藤蘭 古谷一行 他
ケラリーノ・サンドロビッチ作の「祈りと怪物」を作者のケラと蜷川幸雄を演出対決するという企画の蜷川版

もともとは観劇予定外で有ったが、年末にKERAさんバージョンを見て、
KERAさんの作品を蜷川さんがどう演出するのか?楽しみで結局観劇してしまいました(^-^)/。
二つの作品を見比べて思うのは、キャスティングの違いがこんなにも、一つの作品を違ったものに見せるのか?と云う点。
勿論、これは演出の問題でも有るので、演出の違いと置き換えてもいいのかもしれないが。
この芝居はそもそも、KERAさんの作品段階から何で「ウィルビルの三姉妹」と云う副題がついているのか?良く分からない作品である(私には) 。それに併せて、誰が主役かもはっきりとは分からない作品であるから演出家の解釈によってキャスティンも大きく変わってくるのだろうとは思う。


 今回のこの演出合戦という観点から、見るとやはり作者のKERAさんの方に分が有ったように思われた。もっともKERAさんは元々「架空年代記」的な作品を得意としているから、最初から予想
された結果ではあるが。
 キーとなるキャスティングとしては、町を支配する、ドン・ガラス・エイモスに勝村政信、動物園の飼育員トビーアスに森田剛、司祭に古谷一行、錬金術師に橋本さとし、召使の妻に伊藤蘭、と言った布陣。皆、それなりにすばらしい演技をしていたが、エイモスを演じた勝村がいつもの演技とは全く異なる味を出していたところは、すばらしかった。ただ、KERA演出では大倉孝二が演じ、キーとなりなっていた錬金術師の連れている道化には、あまり知られていない役者を配し、印象が弱いことと、KERAバージョンでの大倉孝二の個性溢れるパワフルな演技とのギャップでこの芝居をKERAバージョンとは違うものに見せている。 蜷川Verはどちらかと言えば各章毎にぶつぎれな感じで、この芝居の持つ「架空年代記」的面白みを仕切れていない。どちらかと言えば街に流れ着いた若者が最後にエイモスの子であることが判明し、自分と母を捨てた父=エイモスに復讐するといった、復讐劇かのような終わりとなっている。 全体に中途半端な印象を免れ得ない。章立てで前半が淡々と進んでいくため緊張感がない、また、KERA演出では戯曲らしい言葉遊びが随所にあり、見ていて楽しめたが、そういう部分が全くなく、全体に退屈な演出になっている。
所詮、作者ではないのだから、もっと大胆な解釈か、あるいは、戯曲として作り込みをして欲しかった。
KERA演出と同じく、コロスを使って、芝居全体に抑揚と連携を付けようとしているが、和服の日本的な人物と西洋風な人物が混在しており、かなり違和感がある。芝居全体が洋風で進められているにも関わらず、日本風のチンドン屋を出してくるあたりは、インパクトを狙ったんだろうが、全体から浮いているだけで、バランスを崩しているだけのように思われる。
 最後に、捨てた子からの復讐を受け、急激な没落に至り、路頭に迷うエイモスの姿が描かれるが、去っていく舞台の先の壁を空けてしまい、劇場の外を見せたのは、いただけないと思う。シアターコックーンの舞台の後ろが搬入口になっており、そのまま外に繋がっていることを利用したのだろうが、これは一回やってしまえば、もう誰も使えない(ビックリしなくなる)演出であり、禁じて?反則?ではなかろうか?
 演劇とは本来舞台の上で、感動・驚きを作り上げ、現実以上のリアリティを表現するものかと思います、そのエンディングシーンで建物自身が持つ現実のビックリを見せるということ(へーこの劇場こんな造りになってたんだという驚き)は、4時間に渡って演じてきた芝居のもつ力を演出家自身が放棄したことではなかろうかと・・・・。






 





2013年1月15日火曜日

片付けたい女たち

東京芸術劇場 2013/1/15  19:00~


グループる・ばる 協力:二兎社   作・演出:永井 愛
 
岡本麗 松金よね子 田岡美也子

都会に住む若いころから友人だった女性3人が、一人の部屋の掃除をすることと、なったことから、相手の性格・牽いては歩んできた人生について語るという芝居
(感想) 都会に住む女性3人、3人は若いころから友人であったが、突然一人に
連絡が着かなくなり、心配して、部屋を訪ねるところから芝居はスタートする。
3人は現在それぞれに、①おチョビ普通に結婚して、子供が出来て、結婚し孫がいる者 
②かなり年上の男性と結婚し、子供はおらず、夫婦2人で生活する者 ③未婚のキャリア
ウーマンであり、50を回りそれぞれに自分のこれまでの人生を振り返る年齢に達して
きている。 






2013年1月14日月曜日

新春浅草歌舞伎

浅草公会堂  2013/1/14  3:00~

毛谷村   市川海老蔵 片岡愛之助

勧進帳   市川海老蔵 片岡愛之助

17年振りの雪の中を浅草へ、海老蔵の口上で言っていたが、本当に雪で大変な日でした。
年初に、成田屋=市川の睨みを見るとその年は風邪をひかないとのこと。
それでか、海老蔵人気か?雪にも関わらず、ずいぶんとお客が入っていた。

勧進帳では、最後に義経に対して弁慶が膝をついて「自分は主君を守るために、主君を打ち据えるような方法でしか、助けられなかった、情けない」と詫びるシーンがあるが、なかなかすばらしい演技と私がとある人に話したら、「そりゃ~、海老蔵は実生活で経験しているから・・・・」と言われたのが印象てきであった。

いづれにしろ、勘三郎亡き後、歌舞伎界で数少ない「花のある」役者であることは間違いなさそうである。





2013年1月11日金曜日

ジャニーズ・ワールド

帝国劇場  2013/1/11

これでもか これでもか と場面展開してくるショー!!

ひと時も舞台から目を話させないぞ!といったジャニーさんの意気込みがひしひしと伝わってくる。
おもしろいおもしろくないを超越して、これだけの観客を集め続けてこれだけのショーを続けるのだから、これは脅威いがいの何者でもない!! ただ、凄い!!

 

2013年1月9日水曜日

100万回生きたねこ

東京芸術劇場 プレイハウス        2013/1/9


原作:佐野洋子   企画:ホリプロ   

演出・振付・美術:インバル・ピント アブシャロム・ポラック 脚本:糸井幸之助 成井昭人 中屋敷法仁

森山未来 満島ひかり 田口浩正 今井朋彦 石井正則 大貫勇輔 銀粉蝶 藤木孝 他


森山未来の舞台人としての才能が光る芝居!!


佐野洋子作で世界中から愛され続けている絵本「100万回生きたねこ」をイスラエル出身の演出家ユニット、インバル・ピント、アブシャム・ポラックがミュージカル化したもの


ダンス・身のこなし・活舌・歌すべてをかなりのレベルでバランスしているすばらしい役者かと思います。満島ひかりもかなりであると思う、ダンスの場面が少なかったのでダンスについては良く分からないが、こちらもかなりにレベルでバランスしている役者。


( 感 想 ) この芝居(ミュージカル)を見終わっての一番の印象は、「営利を生業とするプロダクションが良くこのようなミュージカルを創ったなあ~」という驚きでした。

確かに知られた役者陣を起用してはいるが、特にセールスを意識したキャストでもなければ、名前で呼べる演出家を使っているわけでも無く、かつ作品も絵本を題材にした地味なものでり、ダンスを多用した実験的な演出にびっくりした。

 話としては、主人公の一匹の猫が輪廻転生を繰り返し、100万回生まれかわっては、様々な飼い主のもとで死んでゆく。その時、100万人の飼い主は猫の死にひどく悲しんでいたが、当の猫はまったく悲しむことはなかった、当の猫は飼い主が嫌いだったのである。ある時、主人公の猫は誰の猫でもない野良猫となっていた。「自分だけの事が好き」な主人公の猫は、100万回生きたことを自慢し、周囲のメス猫たちも何とか友達や恋人になろうと、プレゼントを持ってきたりして周囲に寄ってくる。しかし、唯一 自分に関心を示さなかった一匹の白猫の興味をなんとか引こうとするうちに、いつのまにか主人公の猫は、白猫と恋に落ち、そして、白猫と一緒になる。白猫はたくさん子供を産み、年老いてゆき、やがて猫の隣で動かなくなり、そこで猫は初めて悲しんで涙する。そして主人公の猫も、とうとう白猫の隣で動かなくなり、それ以後生き返ることはなかった、というもの。 
 主人公の猫を演じた森山未来はテレビで見せるイメージとは大きく異なり、演技・ダンス・身のこなし・歌とも秀逸で独壇場である。本当に今後が楽しみな役者さんである、また、女の子を演じた満島ひかりも演技・歌とも才能を感じさせると共にとてもチャーミングな演技であった。

 演出としては、一場面一場面が絵本のなかの話のイメージを演技・歌・ダンスで表現しており、イメージが膨らみ1ページ1ページ絵本を開いていくような感覚に陥り、とても素晴らしかった。子供と大人が一緒に楽しめるミュージカルが制作のコンセプトだったようであるが、子供たちへのアプローチとしては、こういう作り方もあるのかな?という印象を受け、とても新鮮でした。

 芝居全体としては、3人が書いた脚本を一つにまとめた、ということもあるのか、人それぞれ受けたメッセージは異なるのだろうとは思うが、まだ、年が明けたばかりであるが、間違いなく今年印象に残った1本にノミネートされる作品で有ったと思う。


2013年1月8日火曜日

初春大歌舞伎

新橋演舞場

ひらかな盛衰記   松本幸四郎 中村福助 

仮名手本忠臣蔵  松本幸四郎 中村芝雀 中村吉右衛門
七段目

釣女          中村橋之助 坂東三津五郎


逆櫓の松の話  話としてはおもしろい ただ、幸四郎は活舌が悪いのが今ひとつか?
どうしても活舌が悪いと、いろいろと比べてしまい、私の中では評価が下がる。
団十郎の予定であった、大星倉之助も見たかった、いつまで観れるか分からないので。

オセローは団十郎が病気のままで中止となったそうだ、相当ビラをまいていたから、
松竹さんも大きな損害だろうな。 いづれにしろ、団十郎の早期の復帰を願いたい!!


2013年1月6日日曜日

シラノ・ド・ベルジュラック

日生劇場 2013/1/6

鹿賀武史 浜田めぐみ 

鹿賀さん、再演にかける意気込みは凄いです。やさしく歌うときの鹿賀さんの歌は本当に素敵です!!! 男の美学となさけない悲しさが良く出ています。

浜田めぐみさんの独唱も素敵です! 独唱・・・歌い上げるところの少ないミュージカルですが、
浜田さんの独唱はさすが!! 
来場していた、作者も満足そうでした。

二回目を見ました。
鹿賀さんの調子が良かったのか、歌が素晴らしい! 上手くは無いが、味がある。ミュージカルのテーマ、心意気は鹿賀さん自身のテーマで有る様⁈
本当にセリフと歌に気持ちがのっている‼
素晴らしい舞台!! 田代、浜田、彩吹、平方他の東宝ミュージカル陣に拍手を送りたい、営業的には決して楽ではなさそうですが、続けていって欲しい。